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DVで警察に相談するとどうなる?対応の流れと準備

公開 2026年6月8日・約6分で読めます・リコログ編集部

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別のご事情については弁護士等の専門家にご相談ください。

配偶者やパートナーからの暴力について、「警察に相談したほうがいいのだろうか」「でも相談したら大ごとになるのでは」と迷ったまま、このページを開いた方は少なくないと思います。警察への相談は、必ずしも事件化や離婚に直結するものではなく、状況を整理し、今後の選択肢を確認するための入口にもなり得ます。この記事では、DVで警察に相談したときの一般的な対応の流れ、110番と#9110の使い分け、そして相談前に準備しておきたいことを、落ち着いて整理します。読み終えるころには、「自分はどの番号に、どんな準備をしてかければよいか」が見えてくるはずです。

DVで警察に相談する2つの入口(110番と#9110)

警察への連絡には、大きく分けて2つの入口があります。状況の緊急度によって使い分けるのが基本です。

  • 110番:今まさに暴力を受けている、危険が差し迫っているなど、緊急の対応が必要な場面の通報窓口
  • #9110:緊急ではないが警察に相談しておきたい場合の、警察相談専用電話

どちらを使うか迷ったときは、「今すぐ助けが必要かどうか」を一つの目安にすると判断しやすくなります。次の表で整理します。

状況かける番号主な役割
今まさに暴力を受けている/危険が差し迫っている110番緊急対応・現場での保護
緊急ではないが、警察に相談しておきたい#9110警察相談専用窓口での相談
暴力について相談し、支援につなぎたい#8008(DV相談ナビ)相談窓口への橋渡し

#9110は全国共通の番号で、つながると地域を管轄する警察の相談窓口に案内されるとされています。「事件にするほどではないかもしれないが、不安なので一度話しておきたい」という段階で使いやすい入口です。一方で、身体に危害が及んでいる、または及びそうな場面では、迷わず110番に通報してください。なお、DV相談ナビ#8008や各地の相談窓口についてはDV相談ナビ #8008 とはもあわせて参考にしてください。

身の危険を感じる場合は一人で抱えず、110番/DV相談ナビ #8008/警察相談 #9110 など、安全な場所からの相談を検討してください。

相談・通報したあとの一般的な流れ

「相談したら、その先どうなるのか分からない」という不安は、相談をためらう大きな理由になりがちです。あくまで一般的に言われている範囲ですが、おおまかな流れを知っておくと、心の準備がしやすくなります。

  1. 状況の聞き取り:いつ・どこで・誰から・何をされたか、現在の安全状況などを確認される
  2. 今後の対応の相談:被害届や告訴をどうするか、今後の安全確保の方法などを一緒に整理する
  3. 必要に応じた案内:医療機関、配偶者暴力相談支援センター、保護命令の手続きなど、関連する窓口の情報提供を受けることがある

ここで大切なのは、相談したからといって、必ず逮捕や離婚に進むわけではないという点です。被害届を出すかどうか、今後どう動くかは、本人の意思も尊重されるのが一般的とされています。「まず相談だけしておきたい」という使い方も成り立ちます。

緊急の場面でない限り、自分のペースで選択肢を確認できる場、と捉えておくと過度に身構えずに済みます。なお、加害者からの接近を法的に制限する仕組みとしては保護命令があります。制度の概要は保護命令とはで整理しています。

相談前に準備しておきたいこと

相談や通報は、思い立ったその瞬間にでも行えます。準備が完璧でなくても構いません。そのうえで、可能な範囲で整理しておくと、状況が伝わりやすくなります。

伝える内容を整理する

担当者に状況を説明する際、次のような点を整理しておくと話がスムーズになりやすいとされています。

  • いつ・どこで・何が起きたか(できれば日付つきで)
  • どのような被害か(身体的・精神的・経済的など)
  • 現在の安全状況(同居の有無、危険が続いているか)
  • 子どもの有無や状況

手元にあれば役立つもの

種類具体例
記録出来事の日付・内容を時系列でまとめたメモ
写真けがの状態、壊された物などの写真
医療受診した場合の診断書・受診記録
通信暴言や脅しが含まれるメッセージ・録音

これらは「必ず必要なもの」ではなく、「あれば参考になるもの」です。証拠がそろっていないことを理由に相談をあきらめる必要はありません。どのような記録が役立つかを整理したい方は、離婚で必要になる証拠の種類もあわせて確認してみてください。

ここで負担になりやすいのが、出来事の記憶が時間とともにあいまいになってしまうことです。記憶は薄れたり前後したりしやすいため、出来事があったときに5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)で事実を淡々と残しておくことが役立ちます。リコログでは、こうした出来事を日付とともに記録し、相談前のメモとして整理できます。完璧な証拠を待つ必要はなく、今日からできる小さな備えとして考えてみてください。

相談するか迷うときの考え方

「これくらいで相談していいのか」と迷う気持ちは自然なものです。判断の手がかりとして、いくつかの視点を挙げておきます。

  • 身体的な暴力に限らず、暴言・脅し・無視・生活費を渡さないなども相談の対象になり得るとされています
  • 「今は大丈夫でも、繰り返されている/エスカレートしている」と感じる場合は、早めの相談が選択肢になります
  • 相談は「離婚を決める」こととは別です。状況を整理し、選択肢を確認するための行動として位置づけられます

自分の状況がDVに当たるのか整理したい段階の方は、これってDV?を見分けるチェックも参考になります。なお、ここで挙げた内容は一般的な整理であり、個別の判断や手続きの見通しについては、警察の相談窓口や弁護士に個別にご相談ください。

まとめ

  • 警察への入口は、緊急時の110番と、緊急でない相談の#9110に大きく分かれる
  • 命の危険を感じる場面では、迷わず110番に通報する
  • 相談しても、必ず逮捕・事件化・離婚に進むわけではなく、本人の意思も尊重されるのが一般的とされる
  • 相談前に「いつ・どこで・何が起きたか」を整理し、写真・記録・診断書などがあれば持参すると参考になる
  • 証拠がそろっていなくても相談自体は可能。ためらう必要はない
  • 出来事は5W1Hで記録しておくと、説明や相談前の整理がしやすくなる

DVへの対応には、安全状況や家庭の事情など個別の要素が大きく関わります。具体的な対応や今後の見通しについては、警察の相談窓口や弁護士など、専門の窓口に個別にご相談ください。

よくある質問

DVで警察に相談したら、必ず逮捕や事件になりますか?

必ずしもそうではありません。相談の段階では、まず状況の聞き取りや今後の対応の相談が中心になることが多いとされています。被害届や告訴をどうするかは本人の意思も尊重されるのが一般的で、相談だけにとどめることも可能です。具体的な扱いは状況によって異なるため、窓口でご確認ください。

110番と#9110はどう使い分ければいいですか?

一般に、今まさに暴力を受けている・危険が差し迫っているといった緊急時は110番、緊急ではないが警察に相談したい場合は警察相談専用電話#9110が入口とされています。命の危険を感じる場面では迷わず110番に通報してください。

証拠がなくても警察に相談できますか?

一般に、証拠がそろっていなくても相談自体は可能とされています。ただし、いつ・どこで・何が起きたかを整理して伝えられると、状況が伝わりやすくなります。写真・診断書・録音・記録などがあれば持参すると参考になりますが、まずは相談すること自体をためらう必要はありません。

警察に相談した内容は配偶者に知られますか?

取り扱いは状況や対応によって異なります。一般に、相談者の安全に配慮した対応がとられるとされていますが、心配な点は相談時に率直に伝えて確認するのが安心です。身の安全に関わる懸念がある場合は、その旨を最初に伝えておくとよいでしょう。