⚖️ DV・暴力

性的DVとは|夫婦間でも問題になる行為と相談先

公開 2026年6月8日・約6分で読めます・リコログ編集部

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別のご事情については弁護士等の専門家にご相談ください。

「これは我慢すべきことなのか、それとも問題なのか」——性的な事柄は人に相談しづらく、渦中にいるほど自分の感覚を疑ってしまいがちです。この記事では、性的DVとは何かを、夫婦・パートナー間でも問題になり得る行為とともに、できるだけ配慮して落ち着いて整理します。あわせて、判断に迷ったときに事実を残す方法と、相談できる窓口の探し方までをまとめます。離婚を勧めるためのものではなく、起きたことを冷静に整理するための材料としてお読みください。

性的DVとは何か

性的DVとは、一般に配偶者やパートナーなど親密な関係にある相手から受ける、性的な事柄に関する暴力や強要を指すとされています。DV(ドメスティック・バイオレンス)は身体的な暴力だけを指すものではなく、DVの種類のひとつとして性的な側面も含まれると整理されることが多くあります。

性的DVは、外から見えにくく、本人も「自分が我慢すれば済む」と捉えてしまいやすいという特徴があります。だからこそ、まずは「どのような言動が問題として扱われ得るのか」を知っておくことが、状況を客観的に見るうえで役立つとされています。

夫婦間でも問題になり得る行為

「夫婦やパートナーだから当然」という前提が通るわけではない、という点が出発点になります。婚姻関係にあっても、相手の同意のない性的な行為は問題として扱われ得るとされています。代表的な例として、次のようなものが挙げられます。

区分言動の例
同意のない行為の強要嫌だと伝えても応じない、拒むと不機嫌になり従わせる
避妊への非協力避妊の求めに応じない、妊娠・中絶を一方的に強いる
性的な侮辱・比較体型や行為について繰り返し侮辱する、他者と比べてけなす
性的な事柄での脅し応じないことを理由に生活費や子どもを引き合いに出す
望まない画像等の問題同意のない撮影、画像を見せる・拡散すると脅す

これらは一例であり、明確な線引きが一律にあるわけではありません。共通しているのは、嫌だと言えない関係性のなかで、性的な事柄を通じて相手をコントロールしようとする構図がある点だとされています。経済的な締め付けや人格の否定など、ほかの形と重なって現れることも少なくありません。性的な要素単独ではなく、関係全体のなかで起きていることとして捉えると整理しやすくなります。

身の危険を感じる場合は一人で抱えず、110番/DV相談ナビ #8008/警察相談 #9110 など、安全な場所からの相談を検討してください。

「自分が悪いのかも」と感じてしまう背景

性的DVが相談につながりにくい理由のひとつに、被害を受けた側が自分を責めてしまいやすいという点があります。次のような感覚は、決して珍しいものではないとされています。

  • 「夫婦なのだから応じるのが普通」と思い込んでしまう
  • 拒んだ自分のほうが冷たいのではないかと感じる
  • 性的な話題なので、家族や友人にも打ち明けにくい
  • 過去に応じてきた経緯があり、今さら問題にできないと感じる

こうした受け止め方は、関係性のなかで少しずつ形作られていくことが多いとされています。自分の感覚が間違っているのかどうかを一人で判断し続けるのは負担が大きく、第三者の視点を借りることが現実的です。気持ちの整理がつかないときほど、まずは起きた事実だけを切り分けて残しておくことが、後から状況を見直す助けになります。

迷ったときは「事実」を淡々と残す

性的DVは外から見えにくいぶん、後から状況を説明しようとしても記憶があいまいになりがちです。判断を急ぐ前に、まずは起きた出来事を事実として書き残しておくことが現実的な一歩とされています。記録のポイントは、解釈や感情ではなく事実を中心にすることです。

  • いつ(日付・おおよその時刻)
  • どこで(場所・状況)
  • 誰が(相手の言動)
  • 何を・どのように(具体的なやり取り)
  • そのとき自分がどう伝えたか(拒んだ/応じざるを得なかった等)

リコログのような記録サービスを使うと、こうした5W1Hを起きた直後にそのまま残し、後から相談前のメモ(陳述書のように整理した形)としてまとめ直すことができます。記録は「相手を責めるため」ではなく、自分の状況を落ち着いて見直し、相談先に正確に伝えるためのものです。性的な事柄は記録自体がためらわれることもありますが、淡々とした事実の積み重ねが、後の選択肢を広げる材料になります。

判断に迷う段階では、まずDVとは何かという全体像を確認しておくと、自分の状況をどう位置づければよいかが見えやすくなります。

相談できる窓口

一人で抱え込まず、専門の窓口につながることが大切とされています。証拠の有無にかかわらず話を聞いてもらえる窓口が多く、性的な内容であっても秘密は守られます。

窓口連絡先主な役割
DV相談ナビ#8008(はれれば)最寄りの相談機関を案内
警察相談専用電話#9110緊急でない相談の受付
緊急時110番身の危険があるとき
配偶者暴力相談支援センター各自治体相談・保護・自立支援

どこに連絡してよいか分からない場合は、まずDV相談ナビ #8008にかけると、状況に応じた相談先を案内してもらえるとされています。性的DVは法的な評価や対応が個別の事情によって大きく異なるため、具体的な手続きや慰謝料などについては、弁護士など専門家に個別にご相談ください。本記事は一般的な情報の整理であり、特定の対応を断定するものではありません。

まとめ

  • 性的DVとは、親密な関係にある相手からの、性的な事柄に関する暴力や強要を指すとされています。
  • 夫婦・パートナー間でも、同意のない行為の強要や避妊への非協力などは問題として扱われ得ます。
  • 「自分が悪いのかも」と感じやすいテーマですが、それは関係性のなかで形作られることが多いとされています。
  • 判断を急がず、いつ・どこで・どのような言動があったかを事実として淡々と残しておくことが現実的です。
  • DV相談ナビ #8008/警察相談 #9110/緊急時は110番など、安全な場所から相談先につながることを検討してください。
  • 法的な評価は個別の事情によるため、具体的な対応は弁護士など専門家にご相談ください。

よくある質問

夫婦間でも性的DVは問題になりますか?

問題になり得ます。婚姻関係にあっても、相手の同意のない性的な行為の強要は許されるものではないとされています。「夫婦だから当然」という考え方が通るわけではなく、継続的に苦痛を強いられている状態は問題として扱われ得ます。個別の判断は相談窓口や弁護士にご確認ください。

どこからが性的DVに当たりますか?

明確な線引きが一律にあるわけではありませんが、一般に同意のない性的行為の強要、避妊への非協力、性的な事柄での侮辱や脅しなどが例として挙げられます。嫌だと伝えられない関係性そのものが背景にある場合も少なくないとされています。

証拠がなくても相談できますか?

相談できます。多くの相談窓口は、証拠の有無にかかわらず話を聞く体制をとっているとされています。むしろ相談の中で、どんな事実を残しておくとよいかを一緒に整理してもらえることもあります。一人で判断せず、まず相談先につながることが現実的です。

何を記録しておけばよいですか?

一般には、いつ・どこで・どのような言動があったか(5W1H)を、起きた直後にそのまま書き残しておくとよいとされています。感情的な解釈より、起きた事実を淡々と残すことが、後で相談する際に状況を伝えやすくします。