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協議離婚とは|決めること・離婚協議書の作り方

公開 2026年6月8日・約6分で読めます・リコログ編集部

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別のご事情については弁護士等の専門家にご相談ください。

離婚を考え始めると、「そもそも協議離婚とはどういう手続きなのか」「何を、どこまで決めておけばいいのか」と迷う方は少なくありません。気持ちが固まりきらない段階でも、制度の全体像を知っておくこと自体は無駄になりません。この記事では、協議離婚の基本的な流れ、話し合いで決めておきたい項目、そして後のトラブルを防ぐための離婚協議書の作り方を、事実ベースで整理してお伝えします。

協議離婚とは

協議離婚とは、夫婦が話し合いによって離婚に合意し、離婚届を市区町村に提出することで成立する離婚の方法です。家庭裁判所の調停や裁判を経ずに成立する点が特徴で、日本で行われる離婚の大半がこの形だとされています。

手続きそのものは、離婚届に必要事項を記入し、夫婦双方と証人2名が署名して提出するだけです。ただし「手続きが簡単であること」と「決めるべきことが少ないこと」は別の話です。お金や子どもに関する取り決めをあいまいにしたまま離婚届だけを出してしまうと、後になって受け取れるはずだったものが受け取れない、約束が守られないといった問題が起きやすいと指摘されています。

協議離婚は「話し合いで決められる」点が利点ですが、裏を返せば「決めなかったことは記録に残らない」ということでもあります。だからこそ、何をどう決めたかを書面にしておく意味があります。

協議で折り合いがつかない場合は、家庭裁判所の離婚調停(調停離婚)へ進むのが一般的な流れです。協議離婚は、その前段階に位置づけられると考えると理解しやすいでしょう。

協議離婚の主な流れ

協議離婚は、おおまかに次のような順序で進みます。順番は状況によって前後しますが、全体像をつかむ目安として整理します。

段階内容
1. 離婚の意思を伝える・確認する双方が離婚に向き合う段階。すぐ結論を出す必要はない
2. 条件を話し合う財産・お金・子どもについて取り決める
3. 合意内容を書面化する離婚協議書(必要に応じて公正証書)を作成
4. 離婚届を提出する双方と証人2名が署名のうえ提出

注意したいのは、条件の話し合い(2)と書面化(3)を、離婚届の提出(4)より前に終えておくことです。離婚届を先に出してしまうと、相手が話し合いに応じる動機を失い、条件交渉が難しくなる場合があると言われています。急がず、順序を踏むことが結果的に自分を守ることにつながります。

離婚を決める前の準備全般については、離婚準備でやることリストも参考にしてください。

協議離婚で決めること

話し合いで取り決める項目は、大きく「お金に関すること」と「子どもに関すること」に分けられます。代表的なものを整理します。

お金に関すること

  • 財産分与:婚姻中に夫婦で築いた財産を分ける取り決め。預貯金・不動産・自動車・保険・退職金などが対象になり得ます。
  • 慰謝料:不貞やDVなど、離婚原因について一方に責任がある場合に問題となることがあります。金額の目安は事案により大きく異なります(慰謝料の相場)。
  • 年金分割:婚姻期間中の厚生年金記録を分ける制度。手続きには期限があるとされるため、早めの確認が望ましいです。

子どもに関すること

  • 親権:未成年の子がいる場合、どちらが親権者になるかを決めます。これは離婚届に記載が必要で、合意できていないと届出を受理してもらえないとされています。親権の基本は親権とはで解説しています。
  • 養育費:子どもの監護・養育にかかる費用の分担。金額・支払期間・支払方法を具体的に決めておくことが大切です。
  • 面会交流:別居親と子どもが会う頻度・方法など。子の利益を最優先に考えるのが原則とされています。

これらは「決めておけば安心」というより、「あいまいなまま放置すると後で困りやすい」項目です。特に養育費や面会交流は、離婚後の長い期間にわたって関わるため、口約束ではなく書面に残しておくことが推奨されています。

離婚協議書の作り方

合意した内容は、離婚協議書という書面にまとめます。法律上、当事者だけで作成でき、決まった書式もありません。ただし、後の争いを避けるため、次の点を押さえておくと安心です。

書いておきたい基本項目

  1. 離婚に合意した旨と、離婚届の提出に関する取り決め
  2. 財産分与の内容(対象・金額・支払時期・方法)
  3. 慰謝料の有無と内容
  4. 年金分割についての合意
  5. 親権者・養育費(金額・期間・振込先・支払日)
  6. 面会交流の頻度・方法
  7. 連絡先変更時の通知義務など、補足的な約束

書く際は、「いつ・誰が・誰に・いくらを・どうやって」支払うのかを、数字と日付で具体的に記載することがポイントです。「相応の額を支払う」といったあいまいな表現は、後に解釈の食い違いを生みやすいとされています。

公正証書にするかの検討

養育費など継続的な金銭の取り決めがある場合、離婚協議書を公正証書にしておく方法があります。強制執行認諾文言を付けた公正証書にしておくと、相手が支払いを怠ったときに、裁判の判決を待たずに差押えへ進める可能性があるとされています。

ただし、公正証書の作成には公証役場での手続きや費用がかかります。必要性は家庭の状況によって異なるため、迷う場合は弁護士や公証役場に個別にご相談ください。

話し合いの土台になる「記録」を整えておく

条件を話し合う際は、これまでに何があったか、生活費はどう支払われていたか、といった事実が交渉の土台になります。記憶だけに頼ると、後から「言った・言わない」になりがちです。

そこで、起きた出来事を**5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)**で淡々と書き留めておくと、話し合いや相談の場で説明しやすくなります。リコログでは、こうした事実の記録を日々残し、相談前のメモ(陳述書PDF)として整理できます。証拠そのものを集めるというより、「自分の状況を冷静に言語化しておく」ための下準備として活用できます。

別居を考えている場合の準備は、別居前にやることも合わせてご覧ください。

まとめ

  • 協議離婚とは、夫婦の話し合いで合意し、離婚届の提出で成立する離婚の方法で、日本の離婚の多くがこの形とされています。
  • 手続きは簡単でも、決めるべきことは少なくありません。お金(財産分与・慰謝料・年金分割)と子ども(親権・養育費・面会交流)が中心です。
  • 親権は離婚届の記載事項のため、合意できていないと届出が受理されないとされています。
  • 合意した内容は離婚協議書にまとめ、必要に応じて公正証書化を検討すると、後のトラブルを防ぎやすくなります。
  • 話し合いの前に、起きたことを事実として記録・整理しておくと、落ち着いて条件を検討しやすくなります。
  • 具体的な金額や手続きは個別事情で変わるため、判断に迷う点は弁護士など専門家にご相談ください。

よくある質問

協議離婚とは何ですか?

夫婦が話し合いで合意し、離婚届を提出して成立させる離婚の方法です。家庭裁判所を通さずに成立するため、日本の離婚の多くがこの形だとされています。条件を書面に残しておくと、後の食い違いを防ぎやすくなります。

協議離婚で必ず決めておくことは何ですか?

一般に、財産分与・年金分割・慰謝料といったお金の問題と、未成年の子どもがいる場合の親権・養育費・面会交流が中心になります。親権は離婚届に記載が必要なため、合意できていないと離婚届を受理してもらえないとされています。

離婚協議書は自分たちで作れますか?

法律上は当事者で作成でき、書式の決まりも厳密にはありません。ただし内容や表現があいまいだと後に争いになりやすいため、心配な場合は公正証書にする、弁護士に確認を依頼するなど、個別にご検討ください。

離婚協議書は公正証書にしたほうがよいですか?

養育費など金銭の取り決めがある場合、公正証書(強制執行認諾文言付き)にしておくと、不払い時に裁判をせずに差押えへ進める可能性があるとされています。必要性は状況により異なるため、専門家に相談すると安心です。