💴 お金(慰謝料・養育費)

離婚にかかる費用|調停・弁護士・公正証書の目安

公開 2026年6月8日・約7分で読めます・リコログ編集部

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別のご事情については弁護士等の専門家にご相談ください。

離婚を考え始めると、「そもそもどのくらいお金がかかるのか」が分からず、一歩を踏み出しづらく感じる方は少なくありません。手続きの種類や、弁護士に頼むかどうかで費用は大きく変わります。この記事では、協議・調停・裁判という手続き別の費用感と、弁護士費用・公正証書の作成費用の目安を、できるだけ落ち着いて整理します。ここで挙げる金額は一般的な傾向であり、あなたのケースの結論を約束するものではありません。実際の費用は事案や依頼先によって変わる点をご理解のうえ、見通しを立てる手がかりとしてお使いください。

離婚の費用は大きく2種類に分かれる

離婚にかかるお金は、性質の異なる2つに分けて考えると整理しやすくなります。

  • 手続きそのものの実費:離婚届の提出、調停の申立て、裁判の提起などにかかる費用
  • 専門家に依頼する費用:弁護士費用、公正証書の作成費用など

実費は比較的少額で、金額の幅も小さいのが一般的です。一方、総額を大きく左右するのは弁護士に依頼するかどうかです。まずは「どの手続きを選ぶか」と「専門家を使うか」という2つの軸で、自分の状況を考えてみるとよいでしょう。

手続き別の費用の目安

離婚の進め方は、大きく協議・調停・裁判の3段階に分かれます。後の段階に進むほど、手続きが複雑になり費用も上がる傾向があります。代表的な費用の目安を一覧にまとめます。

手続き主な実費の目安弁護士費用の目安(依頼する場合)補足
協議離婚数百円〜数千円程度数万円〜(書面作成等を依頼する場合)双方が合意すれば離婚届の提出で成立
離婚調停数千円程度(印紙・郵券)着手金・報酬で数十万円〜家庭裁判所での話し合いの手続き
離婚裁判1万〜数万円程度(請求内容で変動)調停より高くなる傾向調停が不成立の場合に進む

協議離婚の流れは協議離婚の進め方で、調停の手続きの詳細は離婚調停の基礎知識であわせて確認できます。

表の金額はあくまで一般的な傾向を整理したもので、最低額や上限を保証するものではありません。裁判の実費は請求する金額(慰謝料・財産分与など)によっても変わります。正確な見積もりは、依頼先の弁護士や家庭裁判所に直接確認してください。

協議離婚の費用

双方が離婚そのものと条件に合意できる協議離婚は、最も費用を抑えやすい進め方とされています。離婚届の提出自体に手数料はかからず、戸籍謄本の取得など実費が数百円〜数千円程度で済むことが一般的です。ただし、財産分与・養育費・面会交流などの取り決めを書面に残す場合は、後述する公正証書の費用がかかることがあります。

調停・裁判の費用

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停に進みます。調停の申立て自体は、収入印紙と郵便切手を合わせて数千円程度の実費とされています。調停が不成立に終わると裁判(訴訟)に進むことになり、請求内容に応じて実費が増えるほか、専門的な対応が必要になるため弁護士費用も上がる傾向があります。

弁護士費用の内訳と目安

総額を最も大きく左右するのが弁護士費用です。料金体系は事務所によって異なりますが、一般的には次のような項目で構成されることが多いとされています。

  1. 法律相談料:初回相談。30分5,000円程度が目安とされるが、無料相談を設ける事務所もある
  2. 着手金:依頼時に支払う費用。結果にかかわらず発生するのが一般的
  3. 報酬金:得られた成果(慰謝料・財産分与の獲得額など)に応じて支払う費用
  4. 実費・日当:交通費、書類取得費、出廷の日当など

着手金と報酬金を合わせると、ケースによっては数十万円〜になることが多いとされています。慰謝料や財産分与で一定の金額を得られた場合、その一部が報酬金として差し引かれる仕組みが一般的です。料金の決め方や金額は事務所ごとに大きく異なるため、依頼前に見積もりと料金体系を書面で確認することが大切です。

公正証書の作成費用

協議離婚で養育費や慰謝料の分割払いなどを取り決める場合、その内容を公正証書にしておくと、約束が守られなかったときの備えになるとされています。公正証書の作成には、公証役場に支払う手数料がかかります。

  • 手数料は、取り決める金額(たとえば養育費の総額など)に応じて段階的に決まる
  • 一般には数千円〜数万円程度になることが多いとされる
  • 弁護士に文案作成を依頼する場合は、別途その費用がかかる

正確な手数料は取り決めの内容によって変わるため、作成前に公証役場で確認するのが確実です。養育費の金額の考え方は養育費の相場、慰謝料の目安は慰謝料の相場もあわせてご覧ください。

費用を抑える・負担を軽くする工夫

費用が不安で離婚の検討をためらう方もいますが、負担を軽くする方法はいくつかあります。

  • 法テラス(日本司法支援センター)の利用:収入等の条件に応じて、無料の法律相談や弁護士費用の立替(民事法律扶助)を受けられる制度があるとされています
  • 自治体や弁護士会の無料相談:初回無料の相談窓口を活用し、見通しと費用感を確認する
  • 争点を整理してから依頼する:何が問題で何を求めるかを自分で整理しておくと、相談が効率的になり、結果的に費用を抑えやすくなります

経済的な事情で離婚そのものを迷っている場合は、お金がないときの離婚準備で、当面の生活費や使える制度の整理についても触れています。

相談前に「事実」を整理しておくと費用を抑えやすい

弁護士への相談は時間あたりで費用がかかることが多いため、事前に何が起きたかを整理しておくほど、限られた時間を有効に使えます。「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうしたか」という5W1Hの形で出来事を残しておくと、相談の場で状況を正確に伝えやすくなります。

たとえば、日々の出来事をリコログのような形で事実として書き留めておけば、後から時系列で見返せる「相談前メモ」として整理できます。離婚を決める前の段階であっても、起きたことを淡々と記録しておくこと自体が、自分の状況を冷静に把握し、相談をスムーズに進める助けになります。

費用を考えるときの注意点

  • 金額は事案と依頼先で大きく変わる:本記事の数字は目安であり、実際の費用は見積もりで確認してください
  • 「安い=得」とは限らない:複雑な取り決めを安易に省くと、後でトラブルになり余計な費用がかかることもあります
  • 費用と優先順位を分けて考える:安全の確保や子どもの環境など、お金以外の優先事項も併せて検討する必要があります

ここでの説明は一般的な情報であり、法律的な判断を断定するものではありません。個別の費用の見通しについては、弁護士や法テラスなどの相談窓口に、ご自身の状況に沿ってご確認ください。

まとめ

  • 離婚の費用は「手続きの実費」と「専門家への依頼費用」に分けて考えると整理しやすい
  • 協議離婚は実費が数百円〜数千円程度と抑えやすく、調停は申立ての実費が数千円程度とされる
  • 総額を最も左右するのは弁護士費用で、着手金と報酬を合わせ数十万円〜になることが多い
  • 公正証書の手数料は取り決める金額に応じて段階的に決まり、数千円〜数万円程度が目安とされる
  • 法テラスや無料相談を活用し、争点を整理してから依頼すると負担を抑えやすい
  • 相談前に起きたことを5W1Hの事実として記録し、具体的な見積もりは弁護士に確認する

よくある質問

離婚にはだいたいいくらかかりますか?

手続きによって大きく異なります。協議離婚で書類のみなら数百円〜数千円程度、調停は申立ての実費が数千円程度です。弁護士に依頼する場合は着手金と報酬を合わせて数十万円〜になることが多いとされています。あくまで目安であり、事案によって変わります。

弁護士に頼まずに離婚することはできますか?

双方が条件に合意できる協議離婚であれば、弁護士に依頼せず進めることも一般には可能とされています。ただし財産分与や養育費など取り決めが複雑な場合は、トラブルを避けるため専門家への相談が安心です。費用面が不安なときは法テラスの利用も検討できます。

離婚調停の費用はいくらですか?

家庭裁判所への調停申立て自体は、収入印紙と郵便切手を合わせて数千円程度の実費とされています。弁護士を付けるかどうかで総額は大きく変わります。自分で申し立てる場合は実費中心、依頼する場合は弁護士費用が別途必要になります。

公正証書を作る費用はどのくらいですか?

公証役場の手数料は、取り決める金額(養育費の総額など)に応じて段階的に決まり、一般に数千円〜数万円程度になることが多いとされています。弁護士に文案作成を依頼する場合は別途費用がかかります。正確な額は公証役場で確認してください。