💴 お金(慰謝料・養育費)

離婚でもらえるお金一覧|慰謝料・養育費・分与・手当

公開 2026年6月8日・約8分で読めます・リコログ編集部

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別のご事情については弁護士等の専門家にご相談ください。

離婚を考え始めると、「離婚したら、お金はどうなるのだろう」という不安が頭をよぎる方は少なくないと思います。受け取れる可能性のあるお金には複数の種類があり、それぞれ性質も条件も違うため、全体像が見えにくいのも事実です。この記事では、離婚に関連してもらえる可能性のあるお金を一覧で整理し、誰が・いつ・どんな条件で受け取れるのかを、できるだけ冷静にお伝えします。なお、ここで挙げる内容は一般的な情報であり、あなたのケースで必ず受け取れることを約束するものではありません。

離婚でもらえるお金は大きく2種類

離婚にまつわるお金は、ざっくり分けると次の2つに整理できます。

  • 相手(配偶者)から受け取り得るもの:慰謝料、財産分与、年金分割、養育費、婚姻費用など
  • 国や自治体から受け取り得るもの:ひとり親向けの公的手当や助成制度など

混同しやすいのですが、前者は「夫婦間で清算・分担するお金」、後者は「制度に基づいて支給される公的なお金」です。性質がまったく異なるため、それぞれ条件を分けて考える必要があります。まずは全体像を一覧で見てみます。

お金の種類主な相手受け取れる主な条件(一般的な考え方)
慰謝料配偶者不貞・DVなど相手に責任のある行為があった場合
財産分与配偶者婚姻中に夫婦で築いた財産がある場合
年金分割配偶者(制度経由)婚姻期間中の厚生年金等の記録がある場合
養育費配偶者離婚後、子どもを監護する側が請求
婚姻費用配偶者別居中など、離婚成立前の生活費の分担
公的手当国・自治体ひとり親であることや所得などの要件を満たす場合
この表は受け取り得るお金の全体像を整理したもので、すべてが必ずもらえることを示すものではありません。各項目には個別の条件があり、自分のケースで該当するかは状況によって変わります。具体的な見通しは弁護士や自治体の窓口でご確認ください。

相手から受け取り得るお金

慰謝料

慰謝料は、相手の有責行為(責任のある行為)によって受けた精神的苦痛に対する賠償です。不貞やDV、モラハラなどが典型例とされます。重要なのは、慰謝料は「相手に責任がある場合」に発生するという点で、性格の不一致のように一方だけの責任とは言いにくいケースでは認められにくいとされています。

金額は原因の種類・婚姻期間・行為の悪質性などで幅があり、一般には数十万円から300万円程度の範囲に収まることが多いとされていますが、あくまで目安です。原因別の目安については離婚慰謝料の相場で詳しく整理しています。

財産分与

財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に分け合うものです。預貯金、不動産、保険の解約返戻金、退職金などが対象になり得るとされています。原則は2分の1ずつとされ、収入のない側の家事・育児による貢献も評価されるのが基本的な考え方です。

慰謝料と違い、財産分与は相手に有責行為がなくても発生し得る点が特徴です。誰のものか名義が曖昧な財産は後で論点になりやすいため、どんな資産があるかを早めに把握しておくことが大切とされています。

年金分割

年金分割は、婚姻期間中の厚生年金などの記録を、夫婦で分け合える制度です。離婚後すぐにお金が振り込まれるわけではなく、将来受け取る年金額の計算に反映される仕組みである点に注意が必要です。手続きには期限があるとされ、離婚後一定期間内に行う必要があるため、忘れずに確認しておきたい項目です。

養育費

養育費は、離婚後に子どもを監護する側が、もう一方に対して請求できる、子どもの養育のための費用です。金額は双方の年収と子どもの人数・年齢から算定表で目安を導くのが一般的とされています。離婚後の取り決めなので、離婚成立前の生活費である婚姻費用とは区別されます。

婚姻費用

婚姻費用は、離婚が成立するまでの間、夫婦が互いの生活を支え合うために分担する費用です。別居していても離婚成立までは夫婦であるため、収入の多い側が少ない側へ分担するのが原則とされています。一般に、請求の意思を伝えた時点からの分が認められやすいとされ、別居や生活費の不足が始まったら早めに意思を残すことが現実的に重要です。詳しくは婚姻費用とはをご覧ください。

国・自治体から受け取り得るお金(公的手当)

相手から受け取るお金とは別に、ひとり親世帯を対象とした公的な支援があるとされています。代表的なものを整理します。

  • 児童扶養手当:ひとり親世帯などを対象とし、所得や子どもの人数に応じて支給されるとされる手当
  • 児童手当:ひとり親に限らず、子どもを養育する世帯を対象とする手当
  • ひとり親家庭等医療費助成:医療費の自己負担を軽減する自治体の制度
  • 住宅手当・家賃補助:自治体によっては独自の住居費支援がある場合がある
  • 就労支援・給付金:資格取得などを支援する制度が設けられている場合がある

これらは所得制限や子どもの年齢などの要件があり、内容は自治体ごとに異なります。同じ制度名でも、対象や金額が住む地域で変わることがあります。自分が対象になるかどうかは、お住まいの市区町村の窓口で確認するのが確実です。

公的手当は制度改正で要件や金額が変わることがあります。最新の情報は、必ずお住まいの自治体の公式窓口やウェブサイトでご確認ください。この記事の内容は一般的な情報であり、支給を保証するものではありません。

もらえるお金は「いつ」発生するかが違う

見落とされがちですが、これらのお金は受け取れるタイミングが種類ごとに異なります。時間軸で整理すると、自分が今どの段階にいるかが見えやすくなります。

タイミング関係し得るお金
別居中(離婚成立前)婚姻費用
離婚成立時慰謝料、財産分与、年金分割の手続き
離婚後(継続的に)養育費、公的手当

たとえば「別居中なのに養育費を請求しよう」とすると、その段階では婚姻費用が該当する、というように、段階によって使う制度が変わります。手元のお金が不安で離婚に踏み切れないと感じている場合は、お金がなくて離婚できないと感じたらもあわせて参考になります。

受け取りの土台になる「記録」を整えておく

慰謝料や財産分与、婚姻費用などの話し合いでは、何があったのか、いつ・いくらのやり取りがあったのかといった事実が、しばしば論点になります。「生活費が渡されなくなったのはいつからか」「どんな言動があったのか」が曖昧だと、主張の説得力が弱まりがちです。

だからこそ、感情論ではなく、いつ・どこで・誰が・何を・どうしたか(5W1H)を事実として残しておくことが、後の相談や請求の土台になります。

リコログでは、こうしたお金や出来事にまつわる事実を、日時・金額・言動といった形で数タップで記録できます。記録は相談前のメモ(陳述書のような形のPDF)として時系列に整理でき、離婚を決める前の段階でも「いま起きていることを事実として残しておく」ことから落ち着いて始められます。お金にまつわる別居前後の整理については別居でもらえるお金も参考になります。

もらえるお金を考えるときの注意点

  • すべてが必ずもらえるわけではない:それぞれに条件があり、該当しないものもあります。
  • 慰謝料は有責行為が前提:相手に責任のある行為がなければ発生しないのが原則です。
  • 手続きには期限がある場合がある:年金分割や手当の申請などは期限を確認しておきましょう。
  • 金額だけで判断しない:安全の確保や子どもの環境など、お金以外の優先事項も併せて考える必要があります。
  • 公的手当は自治体差が大きい:制度名が同じでも内容が異なるため、必ず窓口で確認を。

ここでの説明は一般的な情報であり、法律的な判断を断定するものではありません。個別の見通しや手続きについては、弁護士や自治体の窓口など専門家にご相談ください。

まとめ

  • 離婚でもらえるお金は「相手から受け取り得るもの」と「国・自治体からの公的手当」に大別される
  • 相手からは慰謝料・財産分与・年金分割・養育費・婚姻費用などが、条件次第で受け取り得る
  • 慰謝料は有責行為が前提で、財産分与は有責行為がなくても発生し得るなど、性質が異なる
  • 公的手当はひとり親などの要件があり、内容は自治体ごとに違うため窓口での確認が確実
  • お金が発生するタイミングは種類ごとに異なるため、今の段階で該当するものを見極める
  • まずは起きたことやお金のやり取りを5W1Hの事実として記録し、具体的な見通しは専門家に相談を

よくある質問

離婚でもらえるお金にはどんな種類がありますか?

一般に、相手から受け取り得るものとして慰謝料・財産分与・年金分割・養育費・婚姻費用などがあり、別に国や自治体からの公的手当があるとされています。すべてが必ずもらえるわけではなく、それぞれ条件が異なるため、自分のケースで該当するものを個別に確認することが大切です。

慰謝料は離婚すれば必ずもらえますか?

いいえ。慰謝料は不貞やDVなど相手に責任のある行為があった場合に発生するのが原則とされています。性格の不一致のように一方だけの責任とは言いにくいケースでは認められにくいとされ、離婚すれば自動的に支払われるものではありません。詳しくは弁護士にご相談ください。

専業主婦でも財産分与は受け取れますか?

一般に、収入の有無にかかわらず婚姻中に夫婦で築いた財産は分与の対象とされ、家事や育児による貢献も評価されるのが基本的な考え方とされています。原則は半分ずつとされますが、個別事情で割合が変わることもあるため、専門家への確認をおすすめします。

離婚後にもらえる公的な手当はありますか?

一般に、ひとり親を対象とした児童扶養手当や各自治体の助成制度などがあるとされています。所得や子どもの人数などの要件があり、内容は自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村の窓口で、自分が対象になるかを確認するのが確実です。