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お金がない・専業主婦の離婚準備|収入と住まいの整え方

公開 2026年6月8日・約6分で読めます・リコログ編集部

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別のご事情については弁護士等の専門家にご相談ください。

「収入がない自分が、離婚なんてできるのだろうか」「家を出ても、生活していけるのか」——専業主婦の方が離婚を考えるとき、お金と住まいの不安は最も大きな壁になりがちです。この記事では、離婚を急ぐかどうかは別として、収入・住まい・当面の生活費を落ち着いて整えるための準備の道筋と、専業主婦でも使える可能性のある制度を、事実ベースで整理します。一気に解決しようとせず、見通しを一つずつ立てていくための手がかりとしてお使いください。

まず「お金の現在地」を書き出す

不安が大きいときほど、頭の中だけで考えると実態以上に重く感じられます。最初の一歩は、感情ではなく数字で現状を把握することです。次の3つを紙やメモに書き出してみてください。

  • 毎月の最低支出:家賃・食費・光熱費・通信費・子どもの費用など、削れない出費
  • 使えるお金:自分名義の預貯金、すぐ動かせる資産
  • 家庭全体の資産・負債:夫婦の預貯金、保険、不動産、ローンや借入

ここで大切なのは、夫婦で築いた財産は、名義が一方であっても分け合う対象になり得るという考え方です。専業主婦であっても、家事や育児による貢献は財産形成への寄与として一般に評価されるとされています。「自分名義の貯金がないから何も受け取れない」と早合点せず、まずは全体像を書き出すことが出発点になります。

離婚にともなうお金の仕組みを知る

離婚をめぐるお金は、性質の異なる複数の仕組みに分かれています。混同すると見通しを立てづらいため、ここで整理しておきます。

名称性質(一般的な説明)専業主婦に関わる点
婚姻費用別居中も含め、婚姻中の生活費を分担する仕組み収入の低い側が受け取れる場合がある
財産分与婚姻中に夫婦で築いた財産を分ける仕組み名義が一方でも分与の対象になり得る
養育費子どもの監護・養育のための費用子どもと暮らす側が受け取るのが一般的
慰謝料不貞やDVなど、精神的苦痛への賠償該当する事情がある場合に問題になる

それぞれ金額の決まり方や手続きが異なり、個別の事情で結論は変わります。具体的な金額や請求の可否は、弁護士や法テラスなどの相談窓口で、ご自身の状況に沿って確認することをおすすめします。

別居を先に考えている場合は、別居前後で確認しておきたいことを[別居前にやることの整理](/guide/bekkyo-mae-yarukoto)でまとめています。生活費の取り決めや住まいの確保とあわせて、順番に進めると混乱しにくくなります。

当面の住まいと生活費をどう確保するか

「お金」と並んで現実的な壁になるのが住まいです。選択肢を知っておくだけでも、見通しは立てやすくなります。

住まいの選択肢を比べる

  • 実家・親族を頼る:当面の生活費を抑えやすい一方、関係性によっては難しい場合も
  • 賃貸を借りる:自由度は高いが、初期費用と毎月の家賃の見通しが必要
  • 公的な住まいの支援:自治体によっては母子生活支援施設や住居確保給付金などの制度がある

身の危険を伴う事情がある場合は、住まいの確保は安全の確保と切り離せません。その場合は通常の引っ越しとは別に、配偶者暴力相談支援センターなどの専門窓口に相談することが優先されます。

収入の準備を少しずつ

すぐにフルタイムで働くのが難しくても、できることから段階的に整えていく方法があります。

  • ハローワークのマザーズコーナーなど、子育てと両立しやすい就労相談を利用する
  • 自治体のひとり親向け就労・資格取得支援を調べる
  • 在宅や短時間勤務など、生活リズムに合う働き方から始める

収入の準備は「いきなり自立した状態」を目指すものではなく、当面の生活費を補える土台を作ることが目的です。焦らず、使える支援を一つずつ確認していきましょう。

専業主婦・ひとり親が使える可能性のある制度

経済的な不安を一人で抱える必要はありません。条件に当てはまれば利用できる公的制度が複数あります。代表的なものを挙げます。

  • 児童扶養手当:一定の条件を満たすひとり親世帯への手当
  • 児童手当:中学生までの子どもを養育する世帯への手当
  • ひとり親家庭等医療費助成:親子の医療費の自己負担を軽減する制度
  • 就学援助・各種減免:学用品費や給食費などの負担を軽くする仕組み
  • 法テラス:収入等の条件に応じて、法律相談や弁護士費用の立替を受けられる制度

これらは自治体ごとに名称・条件・金額が異なり、年度によって内容が変わることもあります。お住まいの市区町村のひとり親相談窓口で、現在の状況で利用できるものを確認するのが確実です。手当については児童扶養手当の基礎知識、法的な相談費用については法テラスの使い方もあわせてご覧ください。

起きたことを「事実」として記録しておく

お金の準備と並行して大切なのが、家計や生活費にまつわる出来事を記録に残しておくことです。たとえば「いつ、いくら渡されたか/渡されなかったか」「お金についてどんな言動があったか」を、後から思い出すのは簡単ではありません。

婚姻費用や財産分与、慰謝料などを相談・請求する場面では、感情ではなく具体的な事実が手がかりになります。記録は、いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうした、という5W1Hの形で、その日のうちに残しておくと正確さが保たれます。生活費を渡さない状況が続いている場合の残し方は、生活費を渡さないことの証拠の整理も参考になります。

こうした記録を一つずつ積み重ね、相談前のメモとして時系列に整理しておくために、リコログのようなツールで事実を淡々と残しておく方法もあります。後から弁護士や相談窓口に状況を説明するとき、整理された記録があるだけで話がスムーズになります。

まとめ

  • 不安が大きいときこそ、毎月の最低支出と使える資産を数字で書き出し、現在地を把握する
  • 専業主婦であっても、家事・育児の貢献は財産形成への寄与として一般に評価されるとされている
  • 婚姻費用・財産分与・養育費・慰謝料は性質が異なる別々の仕組みとして整理する
  • 住まいは実家・賃貸・公的支援などの選択肢を比べ、安全の確保が必要な場合は専門窓口を優先する
  • 児童扶養手当や法テラスなど、条件に応じて使える制度を自治体の窓口で確認する
  • お金にまつわる出来事は5W1Hで事実として記録し、相談前のメモとして時系列に整えておく
  • 金額や請求の可否など個別の判断は、弁護士や公的相談窓口に状況に沿って相談する

よくある質問

専業主婦で収入がなくても離婚はできますか?

一般に、収入の有無は離婚そのものの可否を直接左右するものではないとされています。婚姻費用や財産分与、養育費など、生活を支えるための仕組みも複数あります。まずは家計と当面の生活費の見通しを整理し、不明な点は弁護士や公的相談窓口に個別にご相談ください。

別居中の生活費はもらえますか?

夫婦には互いに生活を支え合う義務があるとされ、収入の高い側が低い側に生活費(婚姻費用)を分担する考え方があります。金額は収入や子どもの有無で変わります。話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所の調停という手続きもあるため、専門家への相談を検討してください。

子どもがいる専業主婦が使える制度は何がありますか?

一般に、ひとり親世帯を対象とした児童扶養手当、医療費の助成、就労支援などの制度が知られています。お住まいの自治体で内容や条件が異なります。役所のひとり親相談窓口で、現在の状況で利用できるものを確認するのが確実です。

離婚前にいくら貯めておけば安心ですか?

必要額は住まいや子どもの有無で大きく変わるため一律の正解はありません。一般的な目安として、当面の生活費数か月分と、転居・当座の費用を別に見ておくと安心とされます。まずは毎月の最低支出を書き出し、不足分の確保方法を順に整理していくとよいでしょう。